高等学校における1人1台端末環境でのICT活用事例


 ここでは、高等学校における1人1台端末環境での授業実践事例を、活用場面や学習のねらい、ICT活用のメリット、実践での工夫などの項目に分け、写真や動画とともに紹介します。1人1台端末環境において有効にICT機器を活用するための参考としてください。




実践事例 教科 活用場面
情報の伝わり方・伝え方を学び、表現する 国語 B2 B4
クラウド上で新アテネの学堂を作る 公民 B2 B4
関数の定義域の値を変更させながら、表示されるグラフの変化を捉える 数学 B3
ロイロノートを用いて授業における学習効率を高める 数学 A1
YouTube動画で実験を振り返り、理解を確かなものにする 理科 A1 B2
演示実験から読み取れることを共有する 理科 C1 C2
顕微鏡の映像を撮影し、タブレットで観察する 理科 B2
自身の動きや仲間の動きを見て、振り返り、新たな課題発見につなげる 保健体育 B1 C1
自分の作品を客観的に鑑賞し、検証する 芸術 A1 B1
発表スライドの作成と、プレゼンテーション 外国語 B2 C1
スピーキングテストの録音、提出 外国語 B1
カードをつなげて、自分やグループの考えをまとめる 家庭 B3 C2
調理動画を視聴し、目的や対象に合わせて情報を収集・再編集してレシピを作成する 家庭 A1 B2
Google Classroomを活用してプレゼンテーションに能動的に参加する 情報 C1 C2

(1)ICT活用事例の見方とポイント


 「高等学校における1人1台端末環境でのICT活用事例」は、児童・生徒1人1台環境において、ICTを有効に活用した授業づくりに役立てていただくと同時に、研修などで活用していただくことを想定して作成しました。ICTを積極的に活用することは大切ですが、学習のねらいを達成するためには、何のために活用するのか、どのように活用するのかについて考えながらICTを活用することが求められます。

 各事例では、ICTをどの場面で活用するべきなのか、活用によってどんなメリットがあるのか、また活用の上でどのような点に留意すれば良いのかについて、写真や動画とともに紹介しています。そこには、「もっと気軽にICTを使ってみましょう」という思いとともに、「ICTが備え持つ効果や特性を活かして、こんな授業をしてみませんか」という思いを込めています。

 本活用事例に紹介している授業実践が先生方の授業づくりの参考となり、ICTを活用した1人1台端末環境時代の授業へと、日々の授業改善につながる一助となることを願っています。


■活用場面

 本事例では、文部科学省「教育の情報化の手引(追補版)」第4章に示されているICTを効果的に活用した10の活用場面のうち、どの場面に対応しているかを、画面の右上にA1~C4に分けて示しています。自身の教科と異なる事例であっても、共通する活用場面の事例を見れば、新たな活用法の発見につながるかもしれません。教科別に事例を見るばかりでなく、活用場面別に各事例を比較してください。

■使用する機器、アプリ等

 ここでは、本事例で活用したICT機器やアプリを紹介しています。大阪府では令和3年度に、高等学校に対しChromebookを、支援学校に対しiPadをそれぞれ導入する予定です。また、府立学校の児童・生徒には、Google Workspace for Education のアカウントが発行され、クラウドを活用した学習指導ができるようになりました。使用する機器やアプリの長所がどのように生かされているのか、参考にしてください。

■学習(授業)のねらい、学習(授業)の流れ

 ICTは、活用すること自体が目的ではなく、学習のねらいを達成するためのツールとして活用することが重要です。したがって本事例では、学習(授業)のねらいや流れについても示しています。学習活動のどの部分や場面で、どのようにICTを活用しているのか、学習(授業)のねらいの達成とICT活用がどう関係しているのかなど、その「使いどころ」の設定も大切なところです。

■ココでICTを活用!

 ここでは、ICTをどこでどのように活用したのか、具体的に記しています。また、実際に授業で使っている様子や、生徒が視聴した動画で確認できる事例もあります。
 ICT機器には非常にたくさんの機能がありますが、特にICT機器の操作に慣れないうちは、機能の全てを使おうとするのではなく「使えるところから使ってみる」くらいの気持ちで臨んでいくのがちょうど良いくらいでしょう。それぞれの事例の中で、ICTをどの程度活用するのかについても参考にしてください。

■ICT活用のメリット

 ここでは、ICTを活用することでどのような学びが実現しているのか、学習のねらいの達成をどうやってサポートしているのかについて示しています。ICTを活用することにより、授業の効率化だけでなく、これまではできなかった学びの実現も可能になります。各事例に示されたメリットには、教科を越えて活用できるものも示されています。様々な教科の事例が参考となるでしょう。

■本実践での工夫

 ここでは、ICTを活用する上で、教員がどのように働きかけたのか、どのような説明や指示をしたのか、ICT機器のどの機能を使ったのかなど、ICT活用のメリットを引き出すために工夫したことについて示しています。ICTを活用する中で、生徒が自由にカスタマイズできる余地を残すなど、すべてを提示しないことが重要になることもあります。

■実践の振り返り-活用を深めるために-

 最後に、実践の振り返りを載せています。生徒の学習の様子や、生徒の感想、実践で見えてきた成果と課題などについて簡潔にまとめているほか、今後どのような活用が考えられるか、その展望について示しています。簡単な方法から活用を重ねていくことも大切です。また、教科を越えて活用方法を共有できれば、よりよい使い方が広がるでしょう。

(2)活用場面とは?


 各実践事例におけるICTの活用場面を、A一斉学習、B個別学習、C協働学習に分け、うちBの個別学習を5つ、Cの協働学習を4つの場面に分類して紹介しています。この分類は、文部科学省「教育の情報化の手引(追補版)」第4章に示されているものです。



一斉学習
A1:教師による教材の提示
スクリーンや生徒の端末に、画像、動画などを拡大したり書き込んだりしながら提示する活用法が考えられます。
A1:教師による教材の提示
B個別学習 B1:個に応じる学習
個々の特性や習熟の程度に応じたデジタル教材を用いることで、各自のペースで理解しながら学習を進めたり、自身の活動の様子を記録・再生して自己評価に基づく練習を行ったりすることが考えられます。
B2:調査活動
インターネットで情報収集したり、観察で写真や 動画等に記録したりする活用法が考えられます。
B3:思考を深める学習
シミュレーションを行って考えを深めたり、試行を繰り返すことで理解を深めたりする活用法が考えられます。
B4:表現・制作
動画等の作品を制作したり、個別に制作した作品等を共有したりして意見交流を行うなどの活用法が考えられます。
B5:家庭学習
端末を家庭に持ち帰って予習・復習に使ったり、オンラインで意見交流に参加したりするなどの活用が考えられます。
C協働学習 C1:発表や話合い
自分の考えを、スクリーンや端末に提示して、発表や話合いを行ったり、端末を使って共有した動画やデータを見直しながら話し合ったりするなどの活用が考えられます。
C2:協働での意見整理
協働で発表資料やレポートを作成するとき、クラウドサービスを活用するなどして、互いの進捗状況を把握しながら作業するなどの活用が考えられます。
C3:協働制作
写真・動画等を用いた資料・作品を、協働で作業しながら制作するときに、クラウドサービスを活用して、同時並行で作業するなどの活用法が考えられます。
C4:学校の壁を越えた学習
インターネットと使って遠隔地や海外の学校、学校外の専門家等との意見交換や情報発信などを行ったり、会議ソフト使って学校外の専門家と交流したりするなどの活用法が考えられます。
※出典 「教育の情報化の手引(追補版)」第4章 

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